脱水症は体の水分が減少したことをいいます。実際には水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質も失われています。
小児では成人と比べて、体に対する水分の占める割合が大きい(新生児では約8割、年齢とともに下がって、成人では約6割)。しかも、かぜや胃腸炎にかかると、授乳量や水分摂取量が減ったり、嘔吐や下痢で大量の水分が失われたりしやすい。そのため、小児は脱水症になりやすいのです。
脱水症の程度は、体重減少が5%未満を軽症、5~10%未満を中等症、10%以上を重症に分けるのが一般的です。典型的な中等症の脱水症では、元気がなくぐったりした状態で、皮膚の緊張度の低下、くちびるや口の粘膜の乾燥、尿量の減少、脈が速く弱いなどの症状が見られます。
軽症の脱水症で口から飲むことができれば、経口補水液(OS-1)による治療が基本です。中等症の脱水症には外来で輸液(いわゆる点滴治療)を行います。重症の脱水症では意識障害、けいれん、ショックになることもあり、入院した上での輸液が絶対必要です。
2017年7月2日