A群溶血性レンサ球菌性咽頭炎(一般には溶連菌感染症といわれる)は、小児の急性咽頭炎の15~30%、成人では5~10%といわれ、学童期に多く見られます。
症状はのどの痛み、発熱、頸部のリンパ節のはれ、発疹、嘔吐などです。特に、のどの発赤が強く、点状出血や口蓋垂の炎症が見られた場合には溶連菌感染症の可能性が高くなります。ただ、3歳未満では典型的な症状が出にくいです。通常は迅速診断検査を行って診断します。ペニシリン系抗菌薬10日間内服が標準治療で、セフェム系抗菌薬5日間という治療もあります。
有効な抗菌薬で治療しても感染を繰り返すことがあります。ペニシリンが溶連菌に効かないという報告はありません。家族内で感染しやすいので、特に兄弟姉妹がいると反復感染しやすいといわれています。
また、小児では無症状保菌者が5~20%います。本来はウイルス感染(いわゆるかぜ)にもかかわらず、検査で見つかって溶連菌感染症と誤解されている可能性もあります。
注)以前は溶血性連鎖球菌でしたが、今では溶血性レンサ球菌が一般的です。略した場合、溶連菌と表記されます。
2020年4月13日