新型コロナウイルス感染症対策の基本方針により、学校などの一斉休校が行われたのはご存じのとおりである。同時に、感染拡大防止のため、集団の乳幼児健診も必要に応じて中止や延期となった。3月後半には、秦野市は4か月児健診のみ行い、その他の健診は実施を見送った。4月からは感染予防対策を講じたうえでの実施かと期待したが、緊急事態宣言で集団健診すべてが取りやめになっている。
そもそも、乳幼児健診の目的は、月齢や年齢ごとに起こりやすい病気を早期に発見して治療に結び付けることである。そのためには決められた時期に健診を行うことが大切である。また、1歳6か月児健診と3歳児健診のように、母子保健法により実施しなければならない健診もある。ただし、それぞれ2歳になる前、4歳になる前までの延期は可能である。
問題は4か月児健診である。発達の確認、身長体重増加の評価、心雑音の有無や股関節のチェックなどと同時に、親の育児の相談に応える大切な健診だ。この時期の乳児は発育発達が著しく、4か月児健診は4か月に実施してこそ意義がある。数か月遅らせて7か月児健診と兼ねてしまうということはできない。
再開されたら感染予防をどうするか。子どもも保護者も体温測定し、保護者は手指消毒とマスク着用を義務付ける。そのうえで、密閉、密集、密接を避けるために、広い会場で換気を良くし、兄姉や祖父母といった同伴者の数を少なくし、保健指導については後日電話で行うなどの工夫を取り入れる。私たち小児科医も手指消毒をしっかり行い、安全な乳幼児健診を心がけていきたい。
2020年4月13日