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院長コラム

RSウイルス流行で思うこと

 今年の夏は、保育園でRSウイルスが流行しているため、検査を希望する乳幼児が多い。そもそもRSウイルスは、毎年秋から冬にかけて流行し、乳幼児の呼吸器感染症を引き起こす。潜伏期は4~6日で、1歳までに60%、2歳までにほぼ100%の乳幼児に感染する。昨年はRSウイルスの流行は全く見られなかったが、今年は5月ころから患者数が増加している。RSウイルスに免疫のない乳幼児が多くなったためといわれている。

 RSウイルスに初めて感染した場合、20~30%が肺炎や細気管支炎を起こし、生後3か月未満では無呼吸が見られることがあり、注意が必要である。感染経路は保育園でも家庭でも咳やくしゃみなどの飛沫感染と、ウイルスが付いた手指を介する接触感染である。1回感染しても終生免疫が得られないために感染を繰り返すが、そのたびに症状は軽くなり、幼児期後半以降は咳や鼻水といった、いわゆるカゼ症状のみとなる。

 一方で、早産児や6か月以下の乳児、先天性心疾患がある場合では、重症化しやすいといわれている。そういった乳児には感染予防として、シナジス®というRSウイルスに対する抗体製剤が使われている。ただし、感染したRSウイルスに対する治療薬はない。

 保育園からRSウイルス検査をいわれた3歳児の保護者から電話があったが、検査する対象でないと伝えたら不満そうな返事だった。検査できる感染症は何歳であっても検査させるという保育園の方針なのだろうか。2~3歳以上ではいわゆるカゼ症状であり、RSウイルス陽性であってもなくても治療は同じである。検査キットは保育園のデータ収集のためではなく、医師が症状から必要だと判断した患者に行うものである。

-院長コラム

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