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院長コラム

増えているロタウイルスワクチン接種

 昨年末から今年の年始にかけて、例年になく外来がすいている。暖冬の影響なのか、全国的にインフルエンザの流行入りが遅れており、インフルエンザの患者は非常に少ない。一方で元気な子どもが多く、予防接種の件数の増加が目立っている。なかでも、流行期を前にじわじわと接種希望者が増えているのが、ロタウイルスワクチンである。

 そもそも、ロタウイルスは、乳幼児の胃腸炎の原因として最も多いウイルスである。例年3月~5月に流行し、生後6~24か月にかかりやすく、5歳までにほとんどの小児が感染するといわれる。特に乳児では脱水になりやすく、けいれんを起こすこともあり、入院が必要になることが多い。そこで、2011年11月からロタウイルスワクチン(ロタリックス(R))が導入されたのである。

 ワクチンの効果をみた神戸市での調査によると、接種率が40%を超えた2014年度では、ロタウイルス胃腸炎による入院患者数がその前3年と比べて約60%減少した。また、軽症を含むロタウイルス陽性患者数は80%以上減少した。さらに、ワクチンを受けていない3歳以上でも入院が半減したという。

 昨年当院でロタリックスの1回目を受けたのが月平均10人、公費のヒブワクチン1回目を受けたのが月平均20人なので、接種率は50%となった。値段が高い任意接種で接種率50%とは驚きだ。子どもの病気で予防できるものはできるだけ予防したいという親が多くなっているようだ。なお、全国平均接種率は45%と推定されている。

 予防接種により麻しん風しんが消え、細菌性髄膜炎が消え、水痘が激減している。まもなくロタウイルス胃腸炎も確実に減少するだろう。今後も予防接種を通じて子どもの健康増進に力を入れていきたいと思う。

2016年1月15日

-院長コラム

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