体位性蛋白尿は、横になって安静にしているときにはみられず、立ったり動いたりしているとみられる蛋白尿です。血尿はありません。健康な小児の10%位にみられ、起立性蛋白尿や運動性蛋白尿ともいわれます。また、学校検尿の蛋白尿陽性者の20~40%を占めています。
診断には早朝第一尿を持参し、来院した時に採った尿と比較する方法が簡単です。体位性蛋白尿では、早朝尿の蛋白が陰性(-~±)で、来院時尿の蛋白が陽性になります。
早朝第一尿を正しく採ることが大切です。検査前日は、激しい運動を控え、必ず寝る直前に完全に排尿してから寝ます。そして、検査当日の朝は、不用意に歩き回らずに、起床後すぐに尿を採ります。
体位性蛋白尿は、腎機能には影響がないといわれ、治療は不要です。ただし、腎炎などの蛋白尿を引き起こす病気を区別するために、腎機能や血圧をチェックする必要があります。
2016年5月22日