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院長コラム

乳児の鼻づまり

 寒い季節になり、生後1か月ころの乳児の鼻づまりを心配して来院する親子が時々いる。鼻がつまって、眠っているときに苦しそうだったり、母乳を飲みづらそうだったりしているからだ。かぜをひかせてしまったので、早く治してあげたいと親はいう。果たして本当にかぜなのだろうか。

 かぜは医学用語では感冒という。感冒はウイルス性の鼻副鼻腔炎で、鼻汁鼻閉を主症状とし、時に発熱や咳を伴うものである。乳幼児はさまざまな感染症にかかるが、中でもかぜを含む呼吸器感染症が圧倒的に多い。そのため、鼻症状のある乳児をみて、親がかぜと考えるのは当然だろう。

 しかし、生後1か月ころの乳児の鼻づまりは、実は病気ではない。最近の育児書にはほとんどみられないが、古典というべき松田道雄先生の育児百科(岩波書店)にはしっかり記載されている。要するに、生後1か月ころ鼻づまりがひどく、乳が飲みにくくなるが、自然に治るのを待つのがよいとある。

 そもそも乳児の鼻の中はせまく、鼻の粘膜が敏感で温度変化などでむくみやすいため、鼻づまりするのである。鼻水はあまりないので、親が鼻吸い器をつかっても何も取れない。 しかも乳児は鼻呼吸が主体で、口呼吸が下手である。鼻づまりで口呼吸せざるを得なくなり、母乳やミルクが飲みづらくて不機嫌になる。

 基本的な対応は、薬を使わずに自然治癒を待つことである。暖房や加湿器を上手に使うことは有効である。入浴で温まると鼻づまりが改善するため、お風呂上りにはたっぷりと授乳させたい。言いづらいことだが、医療機関を受診するとかぜのウイルスをもらってしまう可能性があるので、熱がなければ家で過ごすのがよい。

2017年1月5日

-院長コラム

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