食物アレルギーの原因(アレルゲン)を調べるために、食物特異的IgE抗体検査を行います。食物から抽出された様々なタンパク質全体に対する特異的IgE抗体の測定です。
一方、特異的IgE抗体が結合する個別のタンパク質をアレルゲンコンポーネントといいます。アレルギー症状の出現と関連するものもあれば、他のアレルゲンにも反応するものもあります。
食物アレルギーの正確な診断と治療には、食物特異的IgE抗体検査とアレルゲンコンポーネント特異的IgE抗体検査の両方行うことが大切です。
1.鶏卵アレルギーとオボムコイド
卵白の成分であるオボムコイドは加熱してもアレルゲンの性質を保つため、オボムコイド特異的IgE抗体は加熱卵の摂取の判断に役立ちます。
2. 小麦アレルギーとω(オメガ)-5グリアジン
グルテンの成分で、ω-5グリアジン特異的IgE抗体があれば診断に有用ですが、小麦アレルギーの20%では陰性です。
3. ピーナッツアレルギーとAra h 2
Ara h 2特異的IgE抗体は診断に有用です。
4. 豆乳アレルギーとGly m 4
豆乳で口やのどがかゆくなる方は、ハンノキ特異的IgE抗体と、大豆のコンポーネントであるGly m 4特異的IgE抗体で診断が可能です。
2020年7月3日