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診療科目小児科・内科

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院長コラム

検討の価値があるHPVワクチン

 子宮頸がんヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因である。日本では年間1万人が子宮頸がんにかかり、2800人が亡くなっている。しかも子宮頸がんは若い女性で増加している。治療は早期であれば、子宮頸部の円錐切除であるが、進行すると子宮を摘出せざるを得ない。子宮頸がんの予防にはHPVワクチンと検診が大切である。

 世界保健機構はHPVワクチンの接種を推奨しており、イギリス、オーストラリアでは接種率が80%である。ワクチンによりHPV感染率や細胞の異常率が低下したというデータがある。日本では2009年12月に承認され、その後定期接種化された。ところが、2013年から積極的な接種勧奨が控えられて、接種率は0%に近い状況である。

 今年の10月から、HPVワクチンに対する厚生労働省の姿勢に変化があった。積極的な勧奨を控えている立場は崩していないものの、HPVワクチンの定期接種対象者に対し、新たなリーフレットの作成や有効性安全性に関する情報提供により、接種を検討してもらうことになった。

 当院では昨年1人だったが、今年は10月以降、3人にHPVワクチンの定期接種を開始した。いずれも高校1年生で、自己負担なく受けられる最後の機会であった。自費で接種すると3回でおよそ5万円なので、医学的にも経済的にもメリットが大きい。検討する価値があると思う。

 高校1年生が2021年3月31日までに3回接種する場合、「ガーダシル」を11月と12月に1か月間隔で2回接種し、2回目から3か月後に3回目を接種することになる。時間的余裕がないので、接種希望者は厚生労働省の新しい資料を見たうえで、速やかに相談してほしい。あわてて接種したくないという方は、3月までに2回定期接種を受け、3回目を自費で受けることも可能である。

2020年11月15日

-院長コラム

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