熱性けいれんは、通常38℃以上の発熱を伴って乳幼児に見られるけいれんです。発作は生後6か月から3歳に多く見られます。
発熱とけいれんの関係では、発熱後3時間以内が50%、6時間以内が80%であり、ほとんどが発熱後12時間以内で体温が急に上昇するときに発作が起こります。一方、熱性けいれんを起こした子どもの過半数は発作が1回のみで、2回目の発作を起こすのは30%位です。
それでは、熱性けいれんのある子どもには解熱剤を使わない方がいいのでしょうか。解熱剤使用後の熱の再上昇により、けいれんが再発するというデータはありません。熱による子どもの苦痛を和らげるためには、通常の解熱剤の使い方で大丈夫です。
一方で、解熱剤の使用で熱性けいれんの再発予防できるというデータもありません。通常2回以上けいれんした場合に再発予防で使われる薬は、ジアゼパム坐剤(商品名ダイアップ坐剤)です。同時に使うとジアゼパムの直腸からの吸収が低下するため、必ずジアゼパム坐剤挿入後30分以上あけてから解熱剤坐剤を挿入します。
2017年5月9日