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診療科目小児科・内科

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院長コラム

発熱を考える

 当院のような小児科と内科のクリニックでは、患者の最も多い訴えは発熱である。発熱ははっきりと数字で表されるため、保護者や患者にとって気になるのだろう。しかも特に乳幼児の場合は熱を出しやすく、高熱になりやすい。高熱すなわち重症と思い込んで、保護者の不安は強くなりがちである。

 今でも時々、高熱で頭がおかしくなるのではないかと心配する方がいるが、それは間違いである。また、熱の高さは必ずしも病気の重症度とは比例しない。むしろ、ウイルスや細菌が体に入ってくると、刺激された免疫細胞から作られた発熱物質が、体温調節中枢に作用して発熱が起きる。その結果、病原体が増えるのを抑えられることから、感染による発熱は体にとって有利な防御反応と考えられている。

 それでは発熱とは何℃以上だろうか。まずは正常の体温を知らなければならない。日本人のわきの下で測定した体温の平均は36.89±0.34℃といわれる。また体温は午前4~6時に最低に、午後2~8時に最高になり、その差は普通1℃以内である(南山堂医学大辞典)。

 小児では、発熱は37.5℃以上と考えるのが一般的で、予防接種ガイドラインでは37.5℃以上が接種中止になるからである。中学生もこの基準でよいかどうかは疑問である。一方、成人では37℃以上を発熱とすることが多い。ただ、37~37.2℃は上記の体温の正常範囲とかぶっているがどうだろうか。

 もともと体温は、日内変動、年齢差があるため、個人差が出やすいのである。診療の場においては、発熱かどうかにこだわることなく、他の症状と合わせて、総合的に診断し治療していきたいと思う。

2016年10月25日

-院長コラム

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