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診療科目小児科・内科

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院長コラム

大きく変わった夜尿症治療

 おねしょと夜尿症はどう違うのだろうか。おねしょは睡眠中に尿を漏らしてしまうことをいい、年齢が上がると自然に減ってくる。5歳の時点では15%の子どもにおねしょが認められる。そこで、「5歳以降で、月に1回以上の夜尿が3か月以上続くもの」を夜尿症という疾患として定義された。

 夜尿症の推定患者は78万人と多いのだが、医療機関を受診する患者は多くない。自然に治る割合が毎年約15%と高いため、保護者が経験的にそのうち治るだろうと様子を見たり、子どもが夜尿を恥ずかしがって受診をためらったりしている可能性が考えられる。しかし、生活指導や薬剤治療をすることで、自然治癒の3倍である約50%が治癒するというデータがある。次の1年では約80%が治癒することになり、積極的に治療する意義は大きい。

 今年、夜尿症の治療指針であるガイドラインが大きく改訂された。それによると、最初の治療は尿の量を少なくする抗利尿ホルモン薬の内服か、アラーム療法(睡眠中の尿を感知し、アラームで覚醒排尿を促す)である。効果が乏しければ膀胱に尿をためやすくする抗コリン薬を追加する。また、便秘があれば治療が必要である。当然ながら、生活改善として、寝る前に排尿する、夜間にトイレに起こさない、塩分を控える、夕食後の水分を控える、冷え対策などはいうまでもない。

 従来から、当院でも小学生に限り夜尿症の治療を行ってきた。今年はすでに昨年の2倍である12人の夜尿症の初診患者を治療している。傾向として、インターネットで検索して来院された方が増えているようである。これまでは経験に基づいた薬の使い方をしていたが、今後はガイドラインに従った治療を心がけたい。

2016年12月1日

-院長コラム

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