アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などはアレルギーが関係する病気です。これらはアレルゲンに対しIgE抗体を作りやすい体質の方によくみられ、患者の年齢とともに変化して現れ、合併することがあります。この現象は行進に似ているため、1980年代にアレルギーマーチと名付けられました。
一般的なアレルギーマーチの経過は、乳児期にアトピー性皮膚炎と食物アレルギー、幼児期に気管支喘息、学童期にアレルギー性鼻炎です。
アトピー性皮膚炎は乳児期に発症し、幼児期に軽快する例もありますが、思春期以降も続く例も少なくありません。食物アレルギーも乳児期に発症し、多くは小学校入学までには食べられるようになりますが、持続する例もあります。気管支喘息は幼児期に繰り返す喘鳴で発症し、多くは思春期に症状が出なくなりますが、成人まで持続する例もあります。アレルギー性鼻炎は最近では幼児期から始まることも多く、喘息と違って改善せずに成人まで続きます。
ただし、全ての患者がアレルギーマーチの経過をとるわけではありません。
2016年7月24日