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院長コラム

日本脳炎ワクチン早期接種の勧め

 今、蚊に刺されることによって感染する感染症が注目を集めている。ジカ熱は、ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介するウイルス感染症で、中南米で流行し、胎児の小頭症との関連が疑われている。一昨年の夏に国内で流行がおこったデング熱も同種の蚊が媒介するウイルス感染症である。何よりも忘れてならないのが、コガタアカイエカが媒介するウイルス感染症で、日本、東アジア、東南アジアにみられる日本脳炎である。

 実はブタの抗体の状況から、日本脳炎ウイルスは西日本を中心に広い地域存在している。また、小児の日本脳炎患者はまれだが、2009年には高知県で1歳児、2011年には沖縄県で1歳児、2015年には千葉県で11か月児の症例が報告されている。そこで、平成28年2月、日本小児科学会は日本脳炎流行地域に渡航する小児、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に住む小児には、生後6か月からの接種を推奨したのである。ちなみに現在の標準接種年齢は3歳なので、早期の接種が望ましいということだ。

 また、平成28年4月から北海道でも日本脳炎ワクチンの定期接種が開始されることになった。これまで定期でなかったのは、予防接種法に基づき、知事が北海道全域を日本脳炎予防接種の必要がない区域に指定していたからである。北海道にはコガタアカイエカがいない等の理由から北海道だけ定期接種しないというのは無理である。北海道から外へ行けば、日本脳炎ウイルスに感染する可能性は全ての人にあり得る。

 神奈川県はブタの抗体保有率が高い地域ではないので、生後6か月からの接種は必要ないが、1~2歳での接種が望ましいだろう。また、需要の増加のために日本脳炎ワクチン不足が心配される。早めに日本脳炎ワクチン接種を受けていただくことを強くお勧めする。

2016年3月20日

-院長コラム

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