発熱は子どもが外来を受診する時の最も多い訴えです。そもそも発熱は、病原体に対する体の防御反応のひとつで、悪いものではありません。また、熱の高さと病気の重症度とは関係ありません。一方で、解熱剤を使っても病気が早く治るわけでもありません。
小児の発熱の原因はウイルス感染症(いわゆるかぜ)が多いのですが、3か月未満の乳児の発熱には注意が必要です。この月齢では、まだ免疫機能が弱いために重症の細菌感染症が10%くらい認められます。具体的には、菌血症(血液中に病原菌が増える疾患)、細菌性髄膜炎、尿路感染症などです。また、RSウイルスによる細気管支炎も重症になることがあります。
3か月未満の乳児の発熱の場合、急いで小児科を受診し、病院の小児科を紹介してもらいましょう。血液検査、尿検査、細菌の培養検査と入院治療が必要です。
また、細菌性髄膜炎になるリスクを減らすためにも、2か月になったら早くヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種を受けましょう。
2019年1月1日