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ミニ知識

No.192 保湿剤

 皮膚に潤いを与える皮膚外用薬を保湿剤といい、作用の違いから2つに分けられます。

 エモリエントは油脂性の外用薬で、その代表はワセリンです。ワセリンは皮膚の表面を覆うことにより、水分の蒸発を防ぎ、皮膚の角質の水分量を増加させて、皮膚を柔らかくします。伸びがよく、べたつかないプロペトがよく用いられます。

 モイスチャライザーは保湿因子と水を含む外用薬で、保湿因子の水分保持によって角質水分量を増加させます。その代表はヘパリン類似物質と尿素です。尿素製剤は刺激性により小児にはほとんど使われません。一方でヘパリン類似物質を含む製剤、具体的にはヒルドイドソフト軟膏やローションは赤ちゃんから高齢者まで幅広く使われています。保湿についてはモイスチャライザーの方がより効果的です。

 保湿剤の使い分けですが、乾燥しやすい冬季には軟膏やクリームが、夏季にはローションがよく使われます。入浴後の保湿は直後でも1時間後でも差がないというデータがありますので、急いで塗る必要はないでしょう。塗る量よりも塗る回数が大切なので、1日2回塗るようにしましょう。

2020年11月15日

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