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院長コラム

おたふくかぜワクチンで難聴予防

 今年度はおたふくかぜワクチンの接種希望者が増えている。ご存じのとおりおたふくかぜワクチンは定期接種でなく、希望者が受ける任意接種で、自己負担金が必要である。接種は1歳以上であれば可能で、しっかりと免疫をつけるための2回接種が勧められている。標準的には、1歳時と小学校入学前の接種がよいだろう。

 当院では、今年の4月から8月までに75人におたふくかぜワクチンを接種した。昨年の4月から8月は56人だったので34%増であった。この4月から始まったNHKの連続テレビ小説「半分、青い。」では、ヒロインがおたふくかぜにかかった後に片耳が難聴になったという設定であった。このドラマの影響で、おたふくかぜワクチンの接種者が増えた可能性がある。

 おたふくかぜの合併症に難聴があり、それをムンプス難聴という。日本耳鼻咽喉科学会が2017年9月に発表したムンプス難聴の調査では、2015年から2016年の2年間で348人が難聴になった。患者は学童期に多く、大部分が片側の難聴で、治療による改善が期待できないために約80%に高度以上の難聴が残った。片側難聴では難聴側の音が聞こえづらいだけでなく、音の方向がわかりにくかったり、うるさい場所での会話が聞こえづらかったりする。

 以前のワクチン希望者は、男の子なので不妊症になったら心配という理由が多かった。精巣炎の合併による無精子症はあまり多くない。むしろ患者数の多いムンプス難聴の予防のために、ワクチンを接種しておたふくかぜにかからないようにすることが大切だ。現在の接種率が30~40%と低く、日本小児科学会も日本耳鼻咽喉科学会もおたふくかぜワクチンの接種を勧めている。

2018年9月4日

-院長コラム

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